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栗の裏情報⑦ 無糖焼き栗ペースト営業編

昨年11月、石川県の行政機関主催2ヶ所(金沢会場、能登会場)、金沢商工会議所主催1ヶ所の地元食材マッチング商談会に参加してきました。

 

日本初の「無糖焼き栗ペースト」と、

それを真空加熱殺菌して常温3ヶ月日持ち可能にした「焼き栗棒」の2点を売り込みに。

焼き栗ペーストは食材として。

焼き栗棒は手土産品として。

 

 

卸売価格はかなり抑えました。

皮付きの焼き栗と同じ単価にしました。

 

焼き栗を作った後に ①皮剥いて ②ペースト化にするという、

2つの手間を付加しているのに。

 

皮むいてある分、食べる栗の量増えてるのに。

利益率めちゃくちゃ低いです(^_^;)

 

とにかく売れないことには、作りたくても作れない。

売れる価格帯に近付けないと。。。

 

 

3会場で県内の食品問屋、生協、JR駅売店、サービスエリア売店、道の駅、百貨店、スーパーの各バイヤーさん、

ホテル、レストラン、洋菓子店、和菓子店等のオーナー、シェフ…

1人でも多くの方に知ってもらいたくて、時間ギリギリまで商談しました。

 

 

結果、撃沈でした。

どの業態も全然ダメでした。

商談する度に心折れまくりでした。

 

 

私、本当に商売の事何も知りませんでした。

昨年まで13年間、焼き栗の直売もしくは産直だけで商売してきて、

卸売の商談って実は初めてのようなものでした。

 

小売価格って卸売の1.21.3倍ぐらいなのかなって勝手に想像したら、

もう全然違った…(-_-;)

だいぶ抑えたつもりの卸値だけど、小売価格はもうとんでもない高額商品に…

 

 

「すごい物作ったね。でも、ペーストにしては高過ぎる。うちは、もっと数売れるもの仕入れたいから」

 

「無糖と言われても、シェフは加糖して調理するから意味ないよね」

 

「焼き栗ペーストか蒸し栗ペーストかなんて世間では誰も気にしないよ。いちいち説明していられないし」

 

「渋皮残ってない? 裏ごししてないの? ペーストにしては色が茶色過ぎるな」

 

「どうせならパッケージの方にもうちょっとお金かけてよ。

うちの売店には商品が何百、何千アイテムとあると思ってる?

そこで選ばれるには中身以上にパッケージの方が大事なんだよ」

 

「物はいいんだから、工場作って大量生産してもっと安く作れないの?」

 

 

ダメ出しのオンパレードでした(-_-;)

ありがたいことですけどね。

 

卸価格、生産量、見た目、パッケージ … 話にならないみたいです。

 

現実を知りました。

自分が思っている以上に、世間に必要とされていない物作っちゃったみたいです。

 

 

救いだったのは、試食して味に対しのダメ出しはなかったこと。

 

そして、わずか3件ですが商談成立もしました。

金沢のお茶屋さん。

小松市のカフェ件手作りジャム工房。

地元・輪島市の農家レストラン。

 

3件ともにチェーン店ではない、小さな個人経営のお店です。

2人は昔からの知り合い。

1人は何度かうちの焼き栗を買ってくれたことのあるお客様でした。

 

 

意気消沈の私に対して、

「松尾さんのいい値で買うよ。大丈夫。絶対売れるって分かってるから」

 

「ついに完成したんですね。待っていましたよ」

 

「松尾さんがペースト作ったと聞いたから、今日来ました。狙い撃ちですよ」

 

 

ものすごく励まされました。勇気づけられました。

そして、はっきり気付きました。

 

超少数派でいいと思って始めた事業なのに、

いつの間にか欲張って、大きな市場、大きな取引を欲しがっていました(^_^;)

 

 

自分で直売する時間作れないから、

ペーストも焼き栗棒も卸売することしか考えていませんでした。

卸売できるものを作りたいと思って作った部分もあります。

 

 

春夏は農作業に専念してくて、

できるだけ冬の間に栗の在庫一掃したくて、

たくさん買い取ってくれるような大きな取引先を欲しがってしまいました。

 

 

でも、小売価格があんなに高額になるとは。。。

うちの商品は大きな市場じゃ需要がない。

大きな取引はもう諦めよう。。。

 

 

何か吹っ切れた私は、

商談会の帰りに思い立って1件飛び込み営業。

金沢市の隣、野々市市の自然食品、フェアトレード専門店へ。

 

運よく社長と奥様がいらっしゃったので、

私が挨拶すると、

「知ってます。昔から松尾さんのブログ読んでいました。

こんなに能登で頑張ってる農家さんいるんだって。会えて嬉しいです」

焼き栗棒を試食してもらいました。

「美味しい! 本当に自然の甘み! めっちゃ栗ですね。

無糖で焼き栗100%なんて、うちの店に最適じゃないですか。

とりあえず30本卸してください」

 

もうひとつ居場所が見つかりました(*^_^*

 

 

時間かかるけど、超少数派の場所探してコツコツがんばってみよう!

 

 

2月、そんな話を地元の農家仲間に打ち明けたら、

SPIモールというfacebook限定のショッピングモールを紹介してもらいました。

 

facebookで数日間の投稿とスタッフさんのブログを読み漁り、

めちゃくちゃドキドキしながら代表者の三神さんにメッセージと試食用の焼き栗発送。

 

「これすごい! 大合格。至急モール出品かまん」のコメントに畑で思い切りガッツポーズ!

 

嬉しさの余り、剪定作業中断して初出品させて頂きました。

3月にも2回目の出品。

 

本当に想像もしていなかったご注文数を頂きました。

感想メッセージもたくさん頂いて、すごい励みになりました。

 

おかげさまで、焼き栗棒は発売5ヶ月で累計販売数1,800本超えました。

商談会の後、ほとんど営業していないのに。

代表者の三神さん、ご購入頂いたSPIメンバーの皆さんには本当に感謝しています。

 

せっかく買って頂いた方々のご期待に応えられたのか、

常にプレッシャーも強く感じています。

もっともっと「安心安全で美味しい栗作り」がんばります!

 

2019//1作成)

 

つづく

 

【次回予告】栗の裏情報⑧ 5年目の春問題?